恩師の話 (学生編)
あなたは、
キセルで頭をしばかれた事ありますか?
僕は、あります。
しかも、頻繁に。
けっこう、痛かった。
中1から通っていた数学の塾の先生の話。
週に二回。
火曜日と土曜日?
何曜日かはどうでもいいのですが、
その塾は、終わる時間が決まっていません。
その日のプリントが出来るまで帰れま10。
帰れません。
本当に帰れないんです(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
教壇に立って黒板越しに…。みたいなスタイルではなく、個人塾で、一部屋にコの字型に低いテーブルが敷き詰められていて、それぞれが、それぞれの時間に来て、その日のプリントをこなすのです。
どなな先生や?
たぶん、もともとは、商店街で果物屋か八百屋をされていた方です。
トンボみたいな大きな色眼鏡をかけていて、痩せ型。ニットのセーターを着ていて、ウルフカット。
たぶんコタツに根が生えていて、ミカン食べてるかキセルを吸っているオバハンです。
好きか嫌いかでいうと嫌いなタイプです。
話は戻りますが、
なんせ、帰れないんです(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
一通りできたら、先生のところにノートを持っていくのですが、基本、一発目は何が間違ってるとか、ここがおしいとか教えてくれません。
まったく的外れなことを書いていたら、ノート一面に赤鉛筆で大っきくバツの字を書かれます。
何度も同じところを間違っていると、キセルで頭しばかれるか、持ってるシャーペンを手で払われます。
1から10まで教えてくれません。
ただ、
ただ、
考えるんです。
どうしたら、しばかれないかを…。
女の子には泣いている子もいました。
何度も何度もしばかれて、体に染み込ませていくスタイルの数学なのです。
そんなのない(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
でもおかげで、期末テストで満点取ったこともあるし、数学だけは負けない自身も当時ついたと思います。
中学校までの勉強は、反復練習だと思います。
何度も何度も繰り返していくと上達する。そこから応用も利く。
高校からはセンスが問われるんだと思います。(高校の授業の記憶はありません)
強烈な塾でしたが、3年間通っていて、親達からのクレームは無かったし、しばかれるのが嫌だから行きたくないと思ったことはなかったと思います。
昼の1時に行って夜11時に真っ暗な商店街を帰る事もあったと思います、ホント。
そんな時代?
そんな時代だったと思います。
今、どうされているのでしょう。
高校を卒業して、西条を離れる際に一度、怖いもの見たさに訪れたことがあります。
相変わらずな悪態をついていましたが、帰り際にこう言われました。
「あおいよ、賢いおなごと結婚せーよ。」
。。。
。。
。
ど、どう言う意味?
先生は、いつも独りでしたが、仏壇に手向けられた花はその日も綺麗でした。