平成29年度 西条YEG会長ブログ リターンズ

第36代会長をやっていた花山葵です。本業はバイクショップです。YEGの事、日々の出来事、気ままに綴っていきます。立ち寄ってみてくださいね。

アオハルかよ。

もう1日だけ愛媛マラソンの話に付き合ってください。

 

ファーストコンタクトは、12.2km地点にある給水ポイントでした。

 

ドン!

急な幅寄せ運転

 

「だ、誰や!」

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彼でした。

 

スタート前に西条YEGで集まって集合写真を撮ろうとしていたのですが、集まれず…

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石川さんと寂しく二人で…。

 

 

 

稲見くんは、左の膝を痛めているらしく、本調子じゃないと聞いていました。

 

今日初めての会話。

お互い頑張ろや!とか言おうと思ったら。。。

 幅寄せ後早々に

「女のケツばっか追いかけよったらいかんぞ!」

 

いちいち一言多い彼です。

が、左の膝に爆弾を抱えている身、その一言にはさらりと受け交わし先を急ぎます。

僕がレスラーなら痛めている足は攻撃しないタイプです。

 

 

 

20キロくらいまでは想像がつく疲労感。気持ちよく走れます。景色を眺めたり、色んな事考えたり、沿道の応援に耳を傾けたり。

 

25kmの地点で折り返しのコーンが立っています。そこで、自分より後ろの選手たちとすれ違います。

選手同士で知り合いに会えるチャンスはこの折り返し。

 

彼はどこや?

 

気になって探していたら、赤いポロシャツでひときはキョロキョロして見ているヤツ。

 

稲ちゃん発見。

 

しかも僕が折り返してから、そう離れていない距離。

 

お互い「ファイト!」

 

の掛け合いで先を進みます。

 

しかし。。。

後ろから来る見えないプレッシャー。

 

見えずとも、刺さるんです視線が。

 

ヤツは必ずやって来る…。

 

このまま刺しに来ないヤツではない。

 

30kmを超えると、思考回路は縮小し始めます。残り何キロの引き算すらめんどくさく、時間が経つのがぐっと遅く感じました。

 

早く前に進みたい気持ちと、

後ろから刺される怖さ。

 

確実にロックオンされているのがヒシヒシと感じます。

 

来るな!

来るな!!

 

 

 

34km地点、残り8km。

ここから最後の上り坂。

 

 

彼は再び現れます。

 

「最後の坂は無理せず歩いた方が良いよ^_^」とアドバイスをくれます。

 

そして、僕を追い越して行きました。

 

目の前にいるんです。

手が伸びるのなら引っ張ってやろうと思うくらいの距離。

 

稲見!

いなみ!

マサタカ!

おいコラ!

 

心の中で叫んでも、どんどん差が広がります。

 

そして、さっきこの坂は歩いた方が良いよって言ったのに彼は走っています。

 

歩きたい。

歩きたい。

歩け!

おいコラ!

 

願いが通じたのか、彼がようやく歩き始めました。

 

 

ーここで、抜くかー

 

でも、まだ7km近くある。

 

ー今じゃないー

 

 

僕も歩きました。

(ほんまじゃ稲ちゃん、ここは歩くもんや…。)

疲れも少し和らぎ、また走り出します。

 

とは言え、彼も膝が痛いのでしょう、ペースが落ちます。

 

僕がレスラーなら痛めている足は攻撃しないタイプと言いましたが、もうそんな事言ってられません。

 

今じゃ。

追い越します。

 

 

 

 

が、また追い越されます。

デッドヒートを繰り返しました。。。

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こんなアプリがあって、リアルタイムで誰がどこを走っているかわかるそうですよスゴイ。

 

 

そして、残り4km切ったくらいでしょうか。

 

「頑張れよ!」

 

と言って、彼の速度が落ちます。

 

僕には、「花山、俺のぶんまで頑張れよ、西条YEGを頼んだぞ」と、そう言って背中を押してくれたように思えた瞬間でした。

 

「うん。わかった。お前のぶんまで頑張る!」

 

そう心で伝えて、振り絞って前に進みます。

 

 

 

 

いや?

でも待てよ

 

 

 

こんな事で、弱音を吐くタイプじゃないし、足が痛いにせよ、絶対巻き返して来るハズ。

 

来ない訳がない。

 

 

残り2km強。

 

 

ふたたび笑顔でやってきます。

 

 

この辺りになると、2人仲良く走ってきたと写っていたかもしれませんが、

 

そうじゃない。

 

残り8kmのデッドヒートを繰り広げていただけです。

 

 

おうおう来た来た稲ちゃん。

 

そうこなくっちゃ。

 

「でもこれは最後まで勝負やぞ」

 

2人ニヤケ顔で並走します。

 

残り0.195km

 

もう足はガクガクなのに

渾身の猛ダッシュです。

 

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ワンツーフィニッシュ。

 

 

足を痛めていなければ、彼はもっと早いタイムでゴールしていた事でしょう。

彼は、膝を痛めているが故に、直前会長が故に、僕をリードし、追い込んでくれて、 僕の自己ベスト更新に身をもって誘ってくれました。

 

残り8km。彼がいなければ苦痛に負けて妥協して、自己ベストにもなっていなかったかもしれません。

 

負けるか!お前も頑張れ!

が強くしてくれたんかな。。。

 

 

 

青春と書いてアオハル。

 

青春はもう来ないけど

アオハルは

まだ

僕らにも

来た

 

 

気がしました。

 

 

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 稲見君にも

 

 

 

 

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 1UP!あげるよ。

 

 

 

 追伸:結果は彼の方が順位が1つ上でした。クソ!リベンジじゃ!